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各国オンラインパブリッシャー組合(AOP)の状況


AOP登場の背景

Googleやfacebookのエコシステムは日々拡大を続けており、それにより利益を受ける広告主/媒体社は多く存在します。

しかし、その一方でそのエコシステムに巻き込まれることで、単価の下落や在庫品質の保証ができなくなってしまう媒体社も存在ます。 そのような媒体社を一般的に「プレミアム媒体」と呼び、他の有象無象の媒体と区別する流れはここ数年のトレンドとなっていました。

広告主側からみても、いわゆる出稿面を気にするような「ブランド広告主」にとっても、Googleなどのエコシステムは一概にメリットだけというわけでもなく、このような「プレミアム媒体」の在庫を欲している状況はプログラマティックが浸透していても変わりません。


そのような「ブランド広告主」の期待に応えると同時に、自らのプレミアム性も守り続けるために「プレミアム媒体」がコンソーシアムを組み始めています。これらは、広義には「パブリッシャートレーディングデスク」ともいえる動きであるといえ、欧州を中心に活発になってきています。

以下が各国の状況です。(2016.5時点)

フランスのAOP事業

La Place Media (LPM)
フランスの大手媒体によって組織され、この媒体同士のコンソーシアムの世界的な先駆者でもあります。プラットフォームはRubicon ProjectからAppnexusに乗り換えて利用しています。
Audience Square
LPMに属していない媒体で組織されたコンソーシアムという捉え方もできる団体です。プラットフォームは、AppNexusを利用しており、プラットフォームでも差別かしています。

イギリスのAOP事業

Pangaea
英国もパブリッシャートレーディングの先進国です。Guardian, the Economist, the Financial Times,Reuters,CNNといった新聞社系の媒体を中心としたコンソーシアムです。在庫やデータを共有化し、商品としています。プラットフォームはRubicon Projectを利用しています。

シンマキア(Symmachia)
このAOPは、Telegraph Media Group、 Time Incなどの多くのプレミアム媒体によるコンソーシアムです。プラットフォームは、こちらもAppNexusを利用しており差別化しております。

チェコのAOP事業

Czech Publisher Exchange(cpex)
イギリス、フランスのものと比べると少々マイナーですが、チェコでも同様の取り組みは始まっています。プラットフォームは、La Place Media を模範としていることもあり、Rubicon Projectを利用しています。

タイのAOP事業

OOPA
DACがプラットフォーマー兼テック系の中心を担う形で、Sanookなど大手媒体12社を繋ぐ形のPMPとして組織がされています。

米国のAOP事業

調査範囲ではありませんでした。
※Google,Yahoo!,Facebook,AOLなどの巨人が強いからなのかネット広告先進国には有名なコンソーシアムは存在していません。

日本のAOP事業

DELTA Publisher Alliance
Rubicon Projectがリードして2016年5月末に結成されました。最初のパートナーとしてはサッカーキングやオートスポーツなどが名を連ねています。


AOPのプラットフォームの競争

パブリッシャートレーディングのプラットフォームは、「Rubicon Project」 VS 「AppNexus」の様相です。 Rubicon Projectは、ここを見据えてダイレクトセールスソリューションの iSocketやShiny Adsを買収しており、対するAppNexusは、それらの競合にあたるソリューションのYieldexを買収しています。

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